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法華寺の「木造千手観音菩薩立像」

彫刻/有形文化財

指定の種類

  • 県指定文化財

指定年月日

  • 令和6年1月16日

所在地

  • 焼津市花沢所有者法華寺

解説

法量

  • 像高87.2cm
  • 髪際高75.8cm
  • 頂-顎23.5cm(頂上仏~)20.0cm(髻~)
  • 面長11.5cm
  • 面幅9.4cm
  • 耳張13.3cm
  • 面奥14.2cm
  • 胸奥15.1cm(中央)
  • 腹奥13.4cm(宝鉢の脇)18.2cm(宝鉢含む)
  • 肘張29.5cm(合掌手)
  • 裾張22.1cm
  • 足先開(外)13.8cm
  • 足先開(内)6.2cm

形状

髻(もとどり)を表わす。髻は現状無文。髻上に頂上仏面、同基部の正面左側右側に各3面を表わす。各面には目鼻の造形は見られない。髻背面基部中央に1面を表わしていた痕跡がある。天冠台は幅広の帯状(無文)に表す。天冠台上面はほぼ平滑にする。髪際は正面で一文字形、背面で下方に湾曲する形を示す。鬢髪(びんぱつ)が1条耳を渡る。
眉は緩やかな弧状とする。眼球面を盛り上げ、目は上瞼と下瞼の段差面で表わす。鼻梁が太く、小鼻を盛り上げ、その縁線を刻む。鼻孔は表わさない。人中は不明。唇を厚く表わす。上唇を突き出す形を示す。顔は面長で、頬が丸く張る。顎の括りを深く刻む。三道は彫刻面ではなく、墨線で表わす。耳輪が太く、耳朶は板状で厚みがある。
天衣、条帛、裙をつける。天衣は両肩を覆い、背面では下端部が腰上部の位置に至る。正面では両肩から垂下し、膝上部でU字形をなすが、左肩から垂下する分は腹部で途切れる。条帛(じょうはく)は左胸辺にその縁が見える。裙(もすそ)は両脚間で打ち合わせるが、打合せの前後は不明。裙の上端を正面と背面で折り返し、その縁はU字形をなす。両脚正面の膝辺で左右に振り分ける衣がある。これは、裙の折り返しとも、腰布とも見える。
顔を正面に向け、両足をやや開いて直立する。合掌手、宝鉢手を表わす。左右ともに、前列7本、中列7本、後列6本の脇手をつける。

構造

頭上面、合掌手を含み、頭体幹部を通して広葉樹(クスノキか)の一材から彫出し、内刳りも施さない。木心は頭体部のほぼ中央に込める。像底中央に台座設置用の丸枘穴(まるほぞあな)を穿つ(横4.3cm、縦4.0cm、深さ5.8cm)。表面は素地をなし、各所に鑿(のみ)跡が残る。三道、左肩から垂下する天衣と裙の正面折り返し部の衣文を墨線で表わす。
宝鉢手、宝鉢、脇手のすべて、両足先、背面の両肩を覆う天衣は別材とする。

保存状態

髻背面中央の頭上面を大きく欠失する。表面全体に虫損孔が残る。
脇手のすべて、両足先、背面の両肩を覆う天衣、宝鉢、金属製の宝冠、胸飾、臂釧、腕釧、台座、光背は後補。
像底で木心からの最大半径は11cmを測る。

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ページ更新日:2025年4月20日

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