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常照寺の魚籃観音
城之腰の堀川の川ばたに、常照寺という、お寺があります。
文久年間(1861~1863)のころのことです。城之腰村に上連という漁師がいました。上連は、仕事がら、神や仏に対する信仰心が大へんあつい人でした。
ある日のことです。最後のあみを引き上げようとすると、いつもと違って、何かずっしりとした手ごたえがあります。ふしぎに思いながら、あみを引きあげると、あみの中に小魚にまじって、ピカピカ光る物がはいっていました。上連がおそるおそる取りあげてみると、それはなんと全身に金粉がぬられた、およそ六センチぐらいの大きさの魚籃観音ではありませんか。上連は、この観音さんを持って帰り、だいじにおまつりしました。
しかし、観音様があまりにもこうごうしくかがやいているので、これは自分の家には置いてはいけないと思い、近くの常照寺に寄付しました。
それから村の人たちは、この観音様を、上連の観音さま、と呼んで、おまいりするようになりました。そして、今でもこのお寺の宝物として、残されています。
常照寺には、このほかこんなお話もあります。それは、境内にある笠森稲荷とよばれているお堂のお話です。ふき出物ができて困ったときに、ここにおまいりすると、なおるといい伝えられていることです。そして、なおったときにはお礼として、松かさを数珠のようにつないでおそなえするという、めずらしい風習があるそうです。
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ページ更新日:2017年3月18日