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小川のお地蔵さん
今から480年ほど前、室町時代のお話です。小川に安養寺というお寺がありました。今では海蔵寺とよばれ、毎年7月23、24日の縁日には、お寺の門をくぐると、たんきりあめ、花もち、かき氷などを売る露天が境内いっぱいにならび、たいへんにぎわっています。
さて、安養寺が海蔵寺、お地蔵さんとよばれるようになったのには、こんなお話があるからです。
明応9(1500)年の夏のことです。城之腰村の沖の海で毎晩なにか光るものがあり、村の人たちは、いったいなんだろうかと、ふしぎがっていました。
そんなことがつづいたある日、吉平さんという漁師が鰯をとるために網をしかけて、さて引きあげようかとしたところ、何かずっしりと重たいものが網にかかっていました。見ると1メートルほどもある木のお地蔵さんでした。
吉平さんはびっくりして、急いで引きあげ、思わず手を合わせておがみました。そして、小さな仮のお堂を建ててまつりました。
それからしばらくしてからのこと、村人の一人が夢をみました。夢の中にお地蔵さんがあらわれて、「この浦の西にある安養寺は、わたしと縁のあるお寺である。わたしをそこに移したなら、きっとおまえたちを守ってやろう。願いごともかなえてやろう」と言いました。
村の人たちはこれを聞き、「ありがたいことだ。ぜひ安養寺におまつりしよう」といって、そのお地蔵さんをお寺に運びました。
海からあがったお地蔵さん…。こんなふしぎな縁があったので、それから海蔵寺とよばれるようになりました。
ところで、この地方は、大雨のたびに大井川がはんらんし、田畑はたいへんなひ害をうけました。そこでお地蔵さんに、なんとか大井川のはんらんを止めてほしいとお願いしました。川があふれそうになると、村人たちがみんな堤防の上に集まって、おいのりしました。
こういうことがあったので、このお地蔵さんは川除地蔵尊ともよばれているそうです。
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ページ更新日:2017年3月18日