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方言「ら行」「わ行」
ら(2)
らちんあかない
意味
らちがあかない。事態が進展しない。決着がつかない。
使用例
こんなんちらばってるじゃ、いっくら片付けたってらちんあかない。
(これほどちらかっていては、いくら片付けてもらちがあかない)
らっかい
意味
たくさん
使用例
こォんねェ、らっかいさかなァもらってわるいのォ
(こんなにたくさんの魚をもらって悪いですね)
解説
「らっかい」は、たくさん、多く、という意味で、市の南部の人たちが使ったと言われています。昔は、「吉永らっかい」、「当目のだあいぶ」と言われ、使うことば、方言によって出身が分かりました。たくさんというところを、だあいぶと言う人は、浜当目の人だと分かったそうです。また、焼津地区の人が使う同じ意味のことばは、「たあんと」と言っていました。「らっかい」、今この言葉を耳にすることはなくなってしまいました。
り(1)
りょーくろ
意味
両側
使用例
「橋んりょーくろはあぶねぇっていったじゃねえか。」
(橋の両側は、危ないって言ったじゃないですか。)
ろ(1)
ろくさっぽ
意味
ろくに
使用例
ろくさっぽ練習もしないで、リレーに出たら、足がつっちゃったっき。
(ろくに練習もしないで、リレーに出たら、足がつってしまいました。)
解説:ろくさっぽは「ろくに」という意味の「ろくすっぽ」が変化してできたと考えられます。ろくさっぽう、ろくざっぽとも言います。
わ(3)
わきゃーない
意味
わけない
使用例
あのてっぺんの柿をとってくるくらいわきゃーないことだ。
(あのてっぺんの柿をとってくるくらいわけないことだ。)
解説
「わきゃーない」という語は「たやすい」を意味する「訳無い」が転じてできたと考えられます。
わりかし
意味
割合(予想していたよりも)
使用例
このシステム割かし使いやすいじゃん。
(このシステム割合(案外)使いやすいね)
解説
「割合」と同じような意味をもつ「割り方」という言葉があります。割かしはこの「割り方」の俗語的な言い方です。その意味では、当地独特の方言というわけではありませんが、割かしという語が一般的に使われていたようです。
われ
意味
あなた、おまえ
使用例
何をしてるだ、わりゃあ(われは)。いてずらばっかりして。
(なにをしているんだ、おまえは。いたずらばっかりして)
解説
一般には歌にある「われは海の子」の「われ」のように、「自分」のことをいいますが、焼津では相手を指す「あなた、おまえ」のことです。自分と同等、あるいは見下している場合に用います。複数の「おまえら」の場合、「うぇえら」と発言し、凄みを増します。
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ページID:1604
ページ更新日:2023年4月19日