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方言「ま行」
ま(5)
- まあし
- まじくる
- まちょー
- まやす
- まるける
まあし
意味
家、物、人、あたり
使用例
こっちのまあしじゃあええこめょう食ってるなあ。おらんちまあしじゃあ払い下げめえだ。
(こちらの家では良いお米を食べていますね。僕の家では、払い下げ米ですよ。)
解説
間接的に、家、物、人、あたり、などを指すとき、まあしと言っていました。払い下げ米とは、昭和初期まで政府が飢きんの際に払い下げるため、各地に保管してあった米で、古くなると安い価格で一般に払い下げた米のことです。「魚あ入れ物まあしもらった」という使われかたもします。
まじくる
意味
混じる
使用例
マジクルバナナなぁーんちゃって!
(混ざっているバナナなんちゃって)
解説
混ぜられている現在進行中の状態を指す場合もある。この「~クル」の用法にイゼクル(いじる)、ナゾクル(なぞる)、ネジクル(ねじる)などがあるが、いずれも「クル」にしつっこさが感じられる。
まちょー
意味
待て、待って
使用例
コラッ。まちょ、まちょーっ。
(コラッ。待て、待てー。)
解説
待つことを他人に命令したり頼むときに使う。
まやす
意味
まわす
使用例
コーちゃんコマをまやいて遊ぶか。
(コーちゃんコマをまわして遊ぼうか。)
解説
当地では「まわす」の代わりに「まやす」という語を使ったようです。
ところで、以前は、お正月といえばあちこちで「コマまわし」や「タコあげ」で遊ぶ子どもたちが見られました。最近は遊ぶ場所も少ない。
まるける
意味
丸める
使用例
「ちいせぇこらぁ~、新聞まるけてよくチャンバラやったっきや~。」
(「小さいころはねぇ、新聞紙を丸くしてよくチャンバラをやったですよね~。」)
み(4)
- みしくる
- みしょう
- みっかん
- みるい
みしくる
意味
むしる
使用例
かさぶたをみしくっちゃうと、あとんなっちゃうよー。
(かさぶたをむしると、あとが残るよ。)
みしょう
意味
見せてくれ
使用例
「お、今日出た週刊誌じゃん。ちーっとみしょう。」
「あ、今日出た週刊誌じゃないか。少し見せてくれよ。」
みっかん
意味
みかん
使用例
みっかん食うと、かぜひかないだっちょう。
(みかんを食べると、かぜをひかないんだって。)
解説
上品に「おみっかん」なんて使ってしまう人もいる。
みるい
意味
柔らかい、幼い
使用例
このたけのか、みるくてうんめえやあ。
(このたけのこは、やわらかくておいしいなあ。)
む(1)
- むくる
むくる
意味
めくる
使用例
今日は15日だで日みくりを1枚むくってくりょう。
(今日は15日だから日めくりを1枚めくってください。)
解説
おおっているものを、はいで取り除く「めくる」という単語があります。これは「まくる」が転じてできた言葉ですが、当地ではさらに変化した「むくる」という言葉を使いました。
そして、めくりごよみのことも「日みくり」とか「日むくり」と言いました。
め(4)
- 目(め)こんじき
- めえ行く
- めぇる
- めたくた
目(め)こんじき
意味
ものもらい
使用例
めこんじきン出来ちゃったもんで眼帯を買えぇ行くだよ。
(ものもらいが出来たから、眼帯を買いに行くよ。)
解説
まぶたに出来る小さな腫れもの。「ものもらい」のことです。
めえ行く
意味
見に行く
使用例
でっけえ魚が釣れたっちょーでめえ行くか。
(大きな魚が釣れたそうだから見に行くか。)
解説
当地には「見える」が転じてできたと思われる「めえる」という語があります。「めえ行く」も同じような変化でできたと考えられます。
めぇる
意味
見える
使用例
「雨が上がったで、虹が見(め)ぇるかしん?」
「あっちに見(め)えたで!」
(「雨が上がったから、虹が見えるかなぁ?」
「あっちに見えたよ!」)
めたくた
意味
むやみ、やたらに
使用例
やだようこの子はめったくたにぬたくってるよ。
(いやだよ、この子は、むやみやたらに塗りたくっているよ。)
も(1)
- もめくりけぇる
もめくりけぇる
意味
大もめする
使用例
「際どいプレーだったで、審判団の判定はモメクリケェッタ。」
(「際どいプレーだったので、審判団の判定は大もめした。」)
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ページ更新日:2023年7月27日