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更新日:2017年3月18日

成道寺の薬師如来と新助

江戸時代も終わりごろのこと、小川と大富の境あたりに、新助さんという人が妻と二人でくらしていました。新助さんは、鳥刺しの名人で、長い竹ざおの先に、鳥もちをつけ、鳥をめがけてさっとつき出して鳥をつかまえ、それを売ってくらしをたてていました。新助さんの妻は病気がちで、子どももなく、さびしい毎日を送っていました。そんなわけで、新助さんは和田の一色にある成道寺に時どき行き、妻の病気が一日も早くなおるようにと、薬師如来においのりをしていました。しかし、いっこうに病気はよくならず、とうとうこの世を去ってしまいました。

新助さんはたいへん悲しみ、あんなに仏さまにお願いしたのに、聞きとどけてもらえなかったと、仏さまを信じないようになってしまいました。それからは人が変わったようになり、生き物を手あたりしだいにつかまえ、いじめるようになりました。

ある日のことです。いつものように栃山川ぞいの草むらで鳥をさがして歩いていると、一羽の大きな鳩が、木の枝にとまっているのが見つかりました。「よーし、これを刺そう。」と、息をこらし、鳩をめがけて竹ざおをさし出しました。その時です。新助さんよりいっしゅん早く、鳩をよこ取りしたものがありました。見ると、胴の太さが一升徳利ほどもある蛇が、大きな赤い口をあけて鳩をとらえていました。新助さんのおどろきはたいへんなものでした。腰がぬけるほどびっくりして、竹ざおも捨てて、その場を逃げました。「今までおれのねらったえものは、一度だってとり逃がしたことはないのに…。」と、つぶやきながら、飛ぶようにわが家へもどり、ふとんの中にもぐりこんで、ブルブルふるえていました。

しばらくして、新助さんは、その日のできごとを近所の人に話しました。「それにしても、あの蛇の頭は薬師さまの頭に似ていた。目も実によく似ていた。きっとあの蛇は薬師さまの化身(仏さまが形を変えて、この世にあらわれること)にちがいない。」と、何度も言いました。

その翌日から、新助さんは高い熱をだして寝こんでしまいました。頭がおかしくなったように、何かぶつぶつ言いながら、苦しみ、一か月ほどたって死んでしまいました。

このことがあってから、だれ言うともなく、「生き物をつかまえ、苦しめたりしたむくいだ。それを薬師さまがこらしめなさったのだ。」と、言うようになりました。

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