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大井川港付近 地蔵森の波除け地蔵尊

大井川港を河口の方へと歩いていくと港が見える丘防災広場が見えてきます。

その手前に立派なお堂が立っています。

中をのぞくと、こじんまりとしたお地蔵さまがまつられています。

どうやら、焼津の民話にもでてくるお地蔵さんのようですよ。

 

波除け地蔵尊波除け地蔵尊お堂

所在地

焼津市利右衛門(港が見える丘防災広場付近)

解説

大井川の水難除けの神仏

市内利右衛門地区にはかつて地蔵森と呼ばれた場所があり、ここには、一体のお地蔵さんが祀られているお堂があります。
このお地蔵さんは「波除地蔵」と呼ばれており、次のような昔ばなしが伝わります。

ある日、この地に旅のお坊さんがやってきて困っている人を助け、病を治してくれたりしました。
お坊さんはその日、相川にある宿に泊まりましたが、晩に大雨になりました。ものすごい音がしたため、お坊さんは大井川の方へ走って行ってみると、村人たちが崩れかけた堤防に蛇かごを入れていました。しかし、「ゴォー」という大きな音とともに堤防は一気に崩れて人々は流されていきました。お坊さんは必死に流されていく村人たちを助けて回りましたが、洪水が止まった後、お坊さんの姿も見えなくなっていました。
一週間程たった頃、吉永の浜にお坊さんの遺体が打ち上げられ、人々は大層悲しんだそうです。その夜、人々の夢の中にお坊さんが現れ、「そんなに悲しまないでおくれ。わしの代わりにお地蔵さんを作ってください」と頼みました。
村人たちはお地蔵さんを作り、大事にお祀りしました。すると不思議なことに、それから大井川の洪水はなくなり、津波もこなくなったそうです。
それから、このお地蔵さんのことを「波除地蔵」と呼ぶようになりました。
以前はもう少し東にあったそうですが、港湾整備に伴い、現在地に移したそうです。

また、このお地蔵さんは焼津市東小川にある海蔵寺から勧請したお地蔵さんともいわれています。海蔵寺の本尊は広く人々に信仰され、漁村では海上安全や大漁祈願を、農村では洪水防災の波除・川除地蔵として海の近くや焼津の小さな川から大井川、瀬戸川、朝比奈川、安倍川など広い範囲にわたって祀られてきました。これらのお地蔵様は海蔵寺本尊と同じ、半跏ふ(虫偏に夫)座(はんかふざ)(右足を組んで左足を下げた組み方の姿)の姿をしている坐像が多いです。

このページの情報発信元

焼津市 生きがい・交流部 文化振興課 歴史民俗資料館

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ページ更新日:2022年11月11日

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